ガバナンス・コンプライアンス

推進体制

ヤマトグループ全体に、コンプライアンス意識を浸透させ、企業活動における重要な影響を及ぼす事態の発生を未然に防止するとともに、緊急事態発生時においては迅速かつ円滑に解決するための施策を統括して管理するため、コンプライアンス・リスクマネジメントを担当する役員を委員長とする「コンプライアンス・リスク委員会」を設置しています。コンプライアンス・リスク委員会では、全社的なリスク管理推進に関わる課題・対応策を協議し、業務執行会議を通して、各グループ会社に対して徹底した管理を行います。委員会で協議された内容は、四半期ごとに取締役会に報告されるとともに、重大なリスクが顕在化した緊急事態発生時には、その事態を正確かつ迅速に把握し、取締役・監査役および関係者に速やかに情報共有を行っています。

コーポレートガバナンス

ヤマトグループは、ヤマトグループ企業理念に基づき、法と社会的規範に則った事業活動を展開するとともに、コンプライアンス経営を推進しています。そして、グループにおける経営資源を有効活用し、企業価値の最大化を図ることを経営上の最重要課題の一つとして位置付け、コーポレート・ガバナンスの取り組みとして経営体制の強化と施策に対して実践しています。

詳細は企業情報ページ「コーポレートガバナンス」をご参照ください。

内部統制

ヤマトグループでは、グループ全体に健全な企業風土を浸透させ、不正やミスを防止し業務を有効かつ効率的に進めるために、内部統制システムを構築・運用しています。「内部統制システムの基本方針」を定め、基本方針に沿って、「業務の有効性および効率性」「財務報告の信頼性」「事業活動に関わる法令等の遵守」「資産の保全」の4つの目的を満たすよう、内部統制システムの強化を図っています。

内部統制担当部署は、主要なグループ会社の担当部署と連携し、グループ全体で実効性のある運用に努めています。内部統制の整備・運用状況については、四半期ごとに取締役会・監査役会にて報告・確認を行い、必要に応じシステムの強化および改善に取り組んでいます。
主要なヤマトグループ各社には内部監査担当部署が配置され、業務がルールに従って有効に実施されているか、内部監査を行っています。また、内部監査担当部署がないグループ各社に対してはヤマトホールディングスの監査部が監査を行っています。ヤマトホールディングスの監査部は、監査結果を社長および監査役に報告するとともに、四半期ごとに取締役会に報告し、確認を行っています。

コンプライアンス・リスクマネジメント

社会的インフラ企業であるヤマトグループにとって、お客さまをはじめとする社会からの信頼を獲得し続けることは、大変重要であると考えています。そのためには、社会のルールである法令遵守のみならず、すべての事業活動や社員の行動が高い倫理観のもとで行われなければなりません。 ヤマトグループでは、社長名による「コンプライアンス宣言」のもと、コンプライアンス最優先の経営に真摯に取り組んでいます。変わるべからざる価値観としての「社訓」を原点とし、「経営理念」「企業姿勢」「社員行動指針」からなる「グループ企業理念」を定めています。ヤマトグループがどのようなかたちで社会に貢献するか、また、その実現のために会社として、社員個人として、どのような姿勢で臨むべきかという考え方をまとめたものです。ヤマトグループでは、倫理観の高い企業風土醸成のため、企業理念の浸透を軸とした倫理研修を入社時研修や在籍者向けの定期研修等で実施しています。また、自分の判断が正しいのかを確認する「モノサシ」として、または答えがわからず迷った時の「拠り所」として役立ててもらうため、携帯用の「グループ企業理念小冊子」をすべての社員に配布しています。併せて、グループ各社の全事業所に「コンプライアンス宣言」のポスターを掲示し、社員の意識を高めるとともに、コンプライアンス違反事例をイラストなどでわかりやすく説明し、注意喚起しています。

また、倫理観の醸成のみに留まらず、ヤマトグループでは、経済的損失や事業の中断・停止、信用・ブランドイメージの失墜、グループ企業理念・経営計画・経営戦略の達成を阻害する様々なリスクに対して、「リスク管理基本規程」に沿ったリスクマネジメントを行っています。これにより、事業の継続と安定的な発展を目指しています。

社内通報制度

ヤマトグループでは、法令や社内規定の違反等を早期に発見して、適切な対応を行うため、社内通報制度を設けています。通報制度では贈収賄を含めた汚職全般、いじめやハラスメント等の人権侵害を含めた、コンプライアンスのほか、社内諸規程およびグループ企業理念に反する行為全般を受け付けています。社長宛の窓口「目安箱」、コンプライアンス・リスク委員会を事務局とする「コンプライアンス・ホットライン」、外部の弁護士が担当する「企業不正通報窓口」を設けており、Eメール・電話・手紙による受付を行っています。加えて、2019年2月より、身近な相談窓口としてグループ会社独自の窓口をそれぞれ設置しています。これらの窓口について、社長の顔写真入りの窓口紹介ポスターを全事業所に掲示し、社員に周知しています。また、社内通報規程により、通報者のプライバシーを厳守し、通報したことによる不利益な取り扱いを受けることなく保護される体制を確保し、匿名での対応を希望する社員も利用しやすい環境を整えています。
通報があった場合には、速やかに事実を確認し、必要な対処や是正、再発防止を講じる体制を構築しています。具体的には、社内通報へのグループ共通の具体的な対応手順、処理方法、リスク判断基準を整備し、すべての通報に対して、統一した運用フローを適用して対応することで重大リスクの見落としを防止しています。そして、受付・報告時の判断責任者を明確化し、基準を統一化することにより、リスク認識のレベルを向上させています。
また、グループ内の検証会の実施をルール化し、適切に調査と対応検証を実施することで再発を防止しています。加えて、通報情報・対応内容をグループで一元管理することで、全体傾向の把握や事例の水平展開を図り、定期的に取締役会に報告することで、グループ全体の改善につなげています。

社内通報の受付手順

YHD窓口で受け付けた2022年度の通報件数は751件であり、調査・事実確認の上、適宜対処しました。社員が安心して制度を利用できるように、国内グループ全社の対応担当者に対し、改正公益通報者保護法を踏まえた対応手順について、一律の教育を定期的に実施しております。また、社員に対しても窓口の周知とともに、通報者保護のルール、対応フロー、使用シーン等の周知を実施しております。

ヤマトグループの主な活動内容

ヤマトグループでは、事業所に掲示するポスターや社員用Webサイトなどを通じて内部通報窓口の情報を社員に発信しています。また、内部通報制度認証の取得(2020年取得/2022年から制度休止中)や、役員、対応担当者、管理者等向けの研修・情報発信、社員向けアンケートの定期実施など、内部通報窓口を社員が安心して利用できる環境構築のための取り組みも行っております。

腐敗防止

ヤマトグループは、国連グローバル・コンパクトの賛同企業として、汚職につながる行為の禁止と腐敗防止に努めています。グループ企業理念・社員行動指針の中に、「法の遵守と公正な行動」を掲げ、「私たちは、接待・贈答を行う場合、社会通念上、適正な範囲内で行います。国や地域で定められている法令・ルールに抵触する贈賄行為をしないことはもちろん、贈賄と疑われる行為も一切行いません。」と明記しています。社員がこれら汚職に係るリスクを確認し、個々の行動に反映させるためにも、携帯できるグループ企業理念小冊子を作成し、全社員に配布しています。
また、コンプライアンス・リスク委員会が汚職を含めたコンプライアンス・リスクに関する報告を四半期ごとに取締役会に行っています。
世界各国で汚職や贈賄が社会課題となり、規制が強化されている中、ヤマトグループが社会から信頼される企業であり続けるため、公正かつ自由な競争を妨げる贈収賄を防止するヤマトグループの方針を示す贈収賄防止ポリシーを定めています。
2022年度における汚職防止に関するコンプライアンス違反による懲戒実施件数及び解雇件数0件でした。また、昨年度の汚職に関連した罰金の総額は0円であり、罰金以外の罰則及び決裁の件数は0件でした。

事業継続計画(BCP)

社会的インフラ企業であるヤマトグループは、不測の事態においても安定したサービスが継続できるよう、事業継続計画(BCP)を策定しています。2011年に発生した東日本大震災等の経験を踏まえ、さまざまな緊急事態を想定し、グループ全体での危機管理体制の強化を図っています。
「人命を最優先する」「グループ各社の事業の早期復旧を目指す」「社会的インフラとして地域社会からの期待に応える」の3本柱を「ヤマトグループBCP基本方針」と定めています。基本方針をもとにグループ共通の各種基準を定め、グループ各社の事業特性に応じた各種マニュアルを作成しています。
グループ各社にBCP担当部門と責任者を定めるとともに、ヤマトホールディングス内にグループの統括を行うBCP担当部門を設置しています。緊急事態発生時には基準にもとづき、ヤマトホールディングス内に対策本部を立ち上げ(本部長は社長)、グループ各社の担当部門と逐次連携を行います。
また、2020年から安否・被災状況確認システムを導入し、初動の安否確認と発災時の被災状況の報告訓練を定期的に実施しています。
大規模な被害が見込まれる地震や豪雨などの水害をはじめとする自然災害への対応を強化するとともに、新たな感染症全般に対する対策を加え、今後も幅広く検討を進めていきます。