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2014年度ハイライト

地域と連携したCSVの推進 高齢者を宅急便で見守る。

企業が本業を通じて地域社会と共通の価値を創造するCSV(Creating Shared Value=共有価値の創造)という考えに基づいて、ヤマト運輸は全国各地の自治体と連携しながら「高齢者の見守り支援」「買い物支援」「災害時緊急輸送支援」などを展開しており、それらを「プロジェクトG(ガバメント)」として、ヤマトグループ全体で推進しています。
自治体のニーズや地域特性に応じて、サービスの形態はさまざまですが、これまでに各地の自治体と協定等を結んでいます。その1つ、青森県黒石市では、今後、全国のモデルケースとなりうる「高齢者見守り支援サービス」を行っています。

Q. ヤマト運輸が各地で展開している見守り支援って何?/A. 例えば、青森県黒石市では一人暮らし高齢者向け定期刊行物を配達、不在が
続けば自治体に報告しています。(越田)

青森主管支店の担当エリア、その一角を占める青森県黒石市は、人口の4分の1以上が65歳以上。全世帯数の実に1割程度が一人暮らしの高齢者です。最近「高齢者の孤独死」報道が増えていますが、それを未然に防ぐため、家族がいない高齢者を定期的に訪問し、ケアする必要があります。しかし黒石市では、その役割を担っている民生委員が高齢化し人手不足に陥っており、この問題を解決するために民間事業者の協力が求められていました。

そこで私たちは、市が月1回発行する「一人暮らしの高齢者」向け刊行物をセールスドライバー(SD)が宅急便として本人に手渡すことで、居住しているか、健康を損なっていないかなどを確認し、不在が続けば自治体に報告する「高齢者見守り支援サービス」を2013年4月から開始しました。

黒石市からは「一人暮らしの高齢者の状態を定期的に把握できる」と高く評価されていますが、対象となる高齢者からも「毎月、同じころに同じ人が来てくれるので安心」という声をいただいています。さらにSDからも「待ってくれている人がいて、やりがいがある」などの声が聞こえてきます。1,000軒近くを10名のSDで回るのは大変ですが、「高齢者を支える」という使命感が私たちを奮い立たせるのです。

写真:月1回、黒石市が高齢者向けに発行する刊行物。月1回、黒石市が高齢者向けに発行する刊行物。

高齢者見守り支援サービスの仕組み

図:高齢者見守り支援サービスの仕組み

Q. 見守り支援にはコストがかかり過ぎるのでは?/A. 無理なく、低コストかつ、確実に異変を察知できる―それが、黒石市でつくった「高齢者見守り支援サービス」です。(越田)

ヤマト運輸は全国各地で、試行錯誤を重ねながら見守り支援サービスを展開してきましたが、いくつかの課題が浮かび上がっていました。

例えば、「高齢者から依頼された買い物をお届けした際、異変を感じたら行政機関に知らせる」というサービスには、見守りの対象が買い物依頼者だけになり、ほかの高齢者は確認できないという課題があります。また「通常の宅配とは別に、配達時に高齢者の異変を感じたら行政機関に知らせる」というサービスは、SDの負担が大きい、とも言えます。

そこで今回は、黒石市に「一人暮らし高齢者」向け刊行物を作成いただき、その配達件数に応じて料金を頂戴することにしました。こうして、見守りを必要とする高齢者を対象としつつ、SDの業務を「配達と市への不在情報報告」に限定することで、無理なく、低コストかつ、確実に行政機関が異変を察知できる仕組みをつくったのです。

写真:SDは荷物を手渡しして、近況を確認する。SDは荷物を手渡しして、近況を確認する。

Q. 黒石市の「高齢者見守り支援サービス」はほかの地域でも求められるのでは?/A. はい。「黒石市モデル」を全国に展開させていきたいと考えています。(越田)

今回、大枠の訪問日をエリア毎に決めるように工夫したことで、本業である宅急便の稼働に刊行物の配達を組み込むことができました。無理なく運営できる高齢者見守りの仕組みは、ほかの地域でも求められているものだと思います。そのためサービス開始前からもっていた「これは画期的な試みなんだ。どうしても成功させたい」という私たちの思いがようやく実現し始めたことを、とてもうれしく思います。

これからの目標は、今、私たちがやっていることを「黒石市モデル」として全国に展開させながら、さらにブラッシュアップしていくことです。黒石市からは「これまでの月1回の訪問を2回に増やせないか」というご要望もいただいています。

「高齢者見守り支援サービス」を開始してから1年余り、今後も試行錯誤しながら、市役所の皆さんとともに「黒石市モデル」の改善を重ねていきたいと考えています。

写真:黒石市とは定期的に打ち合わせをして新しい課題への対策を検討。黒石市とは定期的に打ち合わせをして新しい課題への対策を検討。

黒石市役所から

高齢者の状況を把握するのに、とても役立っています。

高齢者の孤独死に関しては何年も前から問題にあがっており、各戸への見守り用の端末の設置など、できることには着手してきました。ヤマト運輸さんからの「高齢者見守り支援サービス」の提案は、当市のニーズとまさに合致しており、コストをかけ過ぎずにどのような仕組みが可能かを数カ月にわたって検討し、連携をスタートさせました。

「高齢者見守り支援サービス」といっても、高齢者ご本人にはできるだけ「見守られている」ということを意識してほしくはありません。それを嫌がられる方も少なくないからです。私たち行政が高齢者の状況を把握するのに、ヤマト運輸さんの漏れのない情報提供はとても役立っています。

黒石市役所 健康福祉部
部長

村元 英美

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