まず最初に皆さんにお話ししたい事は、会社の憲法を知っていただきたいという事であります。どの会社にも社訓なり、経営理念といった憲法にあたるものがあります。ヤマトグループの憲法は社訓になります。この社訓は創業当初にできたものであり、「ヤマトは我なり」「運送行為は委託者の意思の延長と知るべし」「思想を堅実に礼節を重んずべし」の3つのことを言っており、非常に重い言葉であると思っています。
一つ目の「ヤマトは我なり」という言葉は、皆さんから言うと、「私がヤマトグループである」という事になります。ヤマトグループを代表して皆さんがこれから世の中で活動していくという事であります。外部の方から見ると、あなたが良い印象をもたれるとヤマトは非常に良い会社だ、あなたが悪い印象をもたれるとヤマトはダメな会社だという様に思われます。皆さんは「ヤマトは我なり」という言葉をしっかりと身に入れて下さい。
皆さんは最初チームで仕事をすることが多いと思いますが、そのチームでコミュニケーションを良くして、会社の方向性をしっかり理解した中でチームでの目標をしっかり決め、そして自ら仕事に参加していくことが非常に大事です。
ヤマトグループは15万人もいる会社ですが、一つ一つのチームは非常に少人数の単位になっています。一人がさぼると仕事で大きな穴が開いたり、チームの他の人が気付かない所までやらないといけない事もあります。チームの人数が少ないと色々な仕事ができないといけないので、皆さんは早く仕事を覚えて、他の人のフォローまでできるようになると非常にありがたいと思います。
二つ目の「運送行為は委託者の意思の延長と知るべし」は、「サービス第一」という事を言っています。お客様にどれだけ良いサービスを与えることができるのかということが非常に大事なことであります。例えば宅急便の場合、送り主は受取人の事を思って荷物を送っているので、ヤマトにとっては受取人へのサービスは非常に大事になります。送り主の心がそのまま受取人に届くようにしなければなりません。おいしいものはおいしいままお届けする、受取人が届けて欲しい時間帯にお届けしたり、受取人が気持良くなる様な応対をしてお届けする事であります。
三つ目の「思想を堅実に礼節を重んずべし」とは、コンプライアンスの事であります。
世の中ではコンプライアンスを守れずに、ガタガタになってしまう会社が非常に多くなっています。法令に違反する様な行為があると、会社は一気に傾いてしまいます。
15万人の社員がいる88年の歴史があるヤマトグループでも、たった一人の不心得者が出ると、一気にガタガタと崩れる事を肝に銘じてもらいたいと思います。
「礼節を重んずべし」は、これから色々な人との係わり合いが出てくると思いますが、その人たちとの関係をしっかりとするためには、きちんとした礼節をわきまえなければならないという事であります。お客様や社外の人たちと接する時にも礼儀を失することのない様に、ヤマトマンとしての規律をしっかりしていただきたいと思います。
|