NEWS RELEASE
ヤマトホールディングス
ヤマトシステム開発株式会社

平成24年4月17日

医療機関や検査研究機関における検体・病原体の管理取扱いについて
研究効率の向上や高いセキュリティを実現する
「バイオセキュリティトレースサービス」の提供を開始

ヤマトホールディングス傘下でICTソリューションを提供し、企業のビジネスをサポートするヤマトシステム開発株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長 皆木 健司 以下YSD)は、検体等を封入した保存容器の施設内での搬入・保管・搬出までの使用状況や保管状態を可視化するシステムと、検体等に適した温度を維持できるセキュリティBOXを組み合わせて、バイオセーフティ※1とバイオセキュリティ※2を実現する「バイオセキュリティトレースサービス」の提供を、4月20日より開始します。

※1 バイオセーフティ ・・・ 病原体および毒素への意図せぬ曝露や、これらの偶発的な放出を予防するために実施する封じ込めの原則、技術、実践を表す。
※2 バイオセキュリティ ・・・ 防護・監視を要する重要な生物材料の不正アクセス、紛失、盗難、濫用、悪用、流用、意図的な放出を防止するための施設内における防護、制御、責任を表す。

1.背景

生物テロに使用される恐れのある病原体等の輸送・保管等の管理体制の確立に関する改正感染症法が平成19年に施行され、バイオセーフティやバイオセキュリティへの意識の高まりに伴い、より厳格なバイオリスクマネジメントが求められています。しかし、施設の整備に費用がかかり、実務に支障をきたす等の理由から、医療機関や検査研究機関の現場では“人の手による管理”が主流で、IT化が遅々として進んでいません。具体的には、年間に取扱う数十種類の病原体等の研究履歴や検体等が封入された数千もの保存容器の保管・使用記録情報を手書きで管理するため、作業が煩雑で手間がかかっています。また、管理帳簿への記載ミスや臨床試験での検体ラベルの誤貼付など、人為的ミスによるバイオリスクが顕在化しています。YSDでは宅急便ネットワークで培ったモノの流れを捉える“トレーシング技術”を活用したシステムを開発。バイオリスクマネジメント分野にサービスを展開することとなりました。

2.特長

「バイオセキュリティトレースサービス」は下記の3つのサービスで構成されます。

(1) 「温度維持機能付きセキュリティ通い箱」(e-ネコセキュリティBOX)
  BOX内に高性能真空断熱材を採用し、外気温が-5℃〜35℃で「2℃〜8℃」帯を最大48時間維持。検体等の保管に適した温度帯を維持し、温度履歴のトレースが可能。
  BOXの開閉は、携帯電話やWeb、または専用ICカードで行うため、いつ、どこで、だれがBOXを開閉したか専用Webサイトでトレースが可能。
  GPS搭載により、現在位置をピンポイントで検索可能。
(2) 「保存容器(試験管、ケースほか)の保管場所や取扱い作業履歴を可視化」(試験管トレース)
  施設内での検体等の受入から容器登録、保管、廃棄、分与までの作業工程に沿った管理システムで、取扱い作業や在庫の管理が可能。
  試験管などの保存容器にICタグやバーコードを貼付することで、容器1個単位での所在確認や取扱い作業履歴のトレースが可能。
  作業者ごとに、セキュリティ方針に従ったアクセス権限を付与。容器1個単位の必要かつ適切な情報をシステムで管理することにより、安全で確実な取扱い作業を実現。
(3) 「デジタル電子錠による保冷フリーザーのセキュリティ保管強化」(フリーザーロック)
  ICキーを保管している管理箱の開錠は専用ICカードで行うため、いつ、どのICカードで開箱したかトレースが可能。
  ICキー自体に暗証番号を設定することで、ICキー紛失時のなりすましを防止。いつ、だれが、どのICキーでフリーザーの電子錠を開けたかトレースが可能。

【概要図】

【概要図】

3.今後について

2015年までに国公立の研究機関・医療機関、民間の検査会社・臨床試験受託会社等に200件の導入を目指します。

なお、「バイオセキュリティトレースサービス」は、4月25日(水)〜27日(金)に東京ビッグサイトにおいて開催される「BIO tech 2012」に出品予定です。

以上

【お問合せ先】

報道機関の方 ヤマトホールディングス(株) 広報担当:丹澤、向浜(03-3541-4141)まで
一般の方 ヤマトシステム開発(株)
セキュアトレースカンパニー:岩倉、霜田、池田(03-6333-0410)まで
YAMATO HOLDINGS CO., LTD.