平成29年6月22日
全但バス株式会社
ヤマト運輸株式会社

全但バスとヤマト運輸が「客貨混載」を開始

〜豊岡市内で、兵庫県初となる路線バスを活用した宅急便の輸送が6月22日より始まりました〜

全但バス株式会社(代表取締役社長:桐山 徹郎、以下「全但バス」)とヤマトホールディングス傘下のヤマト運輸株式会社(代表取締役社長:長尾 裕、以下「ヤマト運輸」)は、本年6月22日より、過疎化や高齢化が進む中山間地域におけるバス路線網の維持と物流の効率化による地域住民の生活サービス向上を目的として、兵庫県の県北に位置する豊岡市内(江原地区−神鍋高原地区)を結ぶ路線バスで「客貨混載」を開始しましたのでお知らせします。

1.背景

近年、全国の中山間地域等で過疎化や高齢化が進む中、山林に囲まれる神鍋高原地区は年々人口が減少し、高齢化率も約27.8%になるなど、県内でも特に過疎化や高齢化が進んでおり、高齢者の移動手段となるバス路線網の維持や物流の効率化による地域住民への生活サービス向上が課題となっていました。

全但バスは、兵庫県の県北エリアをカバーするバス路線網を保持し、年間約234万人を運ぶ県内大手のバス会社として、県や自治体と緊密に連携を図りながら、効率的で持続可能な公共交通ネットワークの構築に向けて取り組んでいます。

ヤマト運輸は、全国の自治体や企業と連携し、地域の活性化や課題解決に向けてさまざまな取り組みを行う「プロジェクトG(Government)」を推進しています。路線バスによる「客貨混載」は4都道府県※1で開始しています。

このたび、全但バスとヤマト運輸は相互連携を図り、バス路線網の維持と物流の効率化による地域住民の生活サービス向上を目的に路線バスで宅急便を輸送する「客貨混載」を兵庫県で初めて開始します。

※1:岩手県(2015年6月) 宮崎県(2015年10月) 北海道(2016年9月) 熊本県(2016年10月)

2.取り組みの内容

(1)座席の一部を荷台スペースにした路線バスを導入

宅急便を輸送するため、中央部に荷台スペースを確保した路線バスを1台導入します。また、客貨混載専用のバスと分るようにオリジナルデザインをラッピングしました。

【ラッピングバス全体】

【ラッピングバス全体】

【荷台スペース】

【荷台スペース】

(2)豊岡市内(江原地区−神鍋高原地区)を結ぶ路線バスで宅急便を輸送

ヤマト運輸のセールスドライバー(以下、SD)が神鍋高原のお客さまに配達する宅急便をJR江原駅で路線バスに積み込み、神鍋高原の東河内バス停留所で担当SDに引き渡します。

兵庫県

3.メリット

(1)地域のお客さま

地域のバス路線網が維持され、安定的に路線バスを利用できることで、病院やスーパーなど多様な施設へアクセスでき、生活基盤の維持・向上につながります。

また、ヤマト運輸のSDが神鍋高原に滞在できる時間が増えるため、当日発送の集荷締め切り時間が13時から15時まで2時間延長されるなど、宅急便のサービスをより便利にご利用いただけるようになります。

(2)全但バス

路線バスの空きスペースで宅急便を輸送することで、バス路線網の維持につながる新たな収入源を確保することができます。

(3)ヤマト運輸

従来、お昼の到着荷物を取りにセンターに戻っていたSDの代わりに、全但バスが荷物を運ぶことにより、移動時間が大幅に削減でき、集配効率が向上し休憩時間が取りやすくなるなど、働く環境の改善が見込まれます。また、SDが神鍋高原に滞在できる時間が増えるため、お客さまからのご要望に対しても柔軟にお応えできるようになります。さらに、日高センターと神鍋高原間の1日のトラック走行距離が往復約30km削減になり、燃料費やCO2排出量の削減にもつながります。

4.出発式の様子

本日、「客貨混載」の開始に伴い、全但バスの江原営業所で出発式を行いました。

出発式の様子

【全但バス 江原営業所前にて】左から

豊岡市 マスコットキャラクター 玄武岩の玄

ヤマト運輸 関西支社副支社長 柴崎 安利

豊岡市 市議会議長 福田 嗣久

兵庫県 但馬県民局長 秋吉 秀剛

近畿運輸局 自動車交通部次長 藤本 和住

豊岡市 市長 中貝 宗治

全但バス 代表取締役社長 桐山 徹郎

ヤマト運輸 姫路主管支店長 田嶋 敬靖

ヤマト運輸 キャラクター クロネコ

5.今後の展開

両社で連携を強化し、神鍋高原で集荷した荷物の路線バスでの輸送や、他路線での客貨混載、道の駅を活用した産物支援などを検討し、地域課題の解決と地域活性化に取り組んでまいります。

以上