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あとがき

2019年11月29日、ヤマト ホールディングスは創業100周年を迎え、ヤマト グループ創業 100周年記念誌、100年のあゆみ、を刊行しました。100周年記念事業を担当することになったのは、2012年4月。その時の社長の言葉は、「100周年は一度しかないので、一過性のお祭りで終わるのではなく、レガシーを創ってほしい」でした。

100周年まで、まだ7年半もある、と思いながらも、会社の大きな節目の事業に携わることができる感謝の気持ちと、新しいことにチャレンジできる、わくわくした気持ちを持ち、まず手がけたのは、周年事業とは何か、社史はどのように制作すれば良いのか、アーカイブって何、などを勉強することでした。

そして、周年事業は会社の重要な経営戦略だ、という答えを出し、最初に取り組んだのが、周年事業の全体構想を企画立案することでした。その中のひとつが社史編纂事業です。

100年史として制作した社史は、会社の歴史を、正確な資料に基づいた経営史として編集する正史と、歴史を物語として読みやすく編集する記念誌、の2種類で、今回刊行したのは記念誌、100年のあゆみ、です。

編纂業務に先立ち、始めたのは、基礎年表作成と史資料の収集でした。幸い当社には創業40年、50年、70年の節目に刊行した社史があり、70年間の記録はありましたが、そのごの30年間は、まとまった記録がなかったため、過去の社史、ヤマト ニュース、クロネコだよりをすべて読み込み、基礎年表を作成しました。合わせて過去の史資料収集として、社内や倉庫での資料探索、社員や OB 、取扱店のかたへ、史資料提供の呼びかけをおこないました。その結果、貴重な史資料がたくさん集まり、社史編纂などの100周年記念事業に活用することができました。ご協力いただいたみなさまに厚くお礼を申し上げます。

また、歴代社長、OB、取扱店、お客さまなど、約150名のかたに取材をさせていただきました。お聞きした話を全部は反映できませんでしたが、私たち、編集者にとっては貴重な体験であったことに感謝し、会社の重要な記録として後世に残していきます。

記念誌を編纂する中で一番大変だったのは、過去の社史、社内報などの資料や、取材記録の中から抽出した、数多くの歴史的記録から、物語となるエピソードを選定することでした。本来であれば記述すべきことが割愛されている部分もあると思いますが、編集者に免じてお許しいただければ幸甚です。

1919年に 漢字のヤマト運輸として創業し、カタカナのヤマト運輸、ヤマト ホールディングスと社名は変わりましたが、創業以来100年間、一貫して変わらずに受け継がれてきた企業理念と、お客さまとともに歩んできた歴史を、この記念誌を通して、お伝えすることができたでしょうか。

こうして、あとがきを執筆しながら、この冊子を手にしたかたが、どのように読んでくださるのか楽しみに思うと同時に、これまでの出来事を振り返り、あらためて、この仕事を担当させていただいたことへの感謝と、編纂業務を支えてくださった編纂プロジェクト、編纂スタッフのメンバー、そして、共創型プロジェクトとして、ともに歩んでくださった、大日本印刷 株式会社、株式会社 工作舎、株式会社プランニングハウス HARA のみなさまに、感謝の気持ちをお伝えして、筆をおくこととします。ありがとうございました。

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