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労働慣行

基本的な考え方

ヤマトグループの最大の財産は約23万人の「社員」です。社員一人ひとりが「個の力」を磨き、それを十分に発揮できる労働環境があってこそ、グループとしての力も強くなります。労働環境に関わる制度や仕組みを整備するとともに、適切な労働慣行を推進する企業風土の醸成にも力を入れています。
ヤマトグループは、社員行動指針「働く喜びの実現」「ステークホルダーとの共存共栄」の中で、個人の人権の尊重、多様性(国籍・人種・民族・宗教・思想・出身地・性別・年齢・障がい・性自認・性的指向・雇用形態等)の尊重、差別や暴力・ハラスメントの禁止などを掲げています。

ヤマトグループは、国連グローバル・コンパクトの賛同企業として、「結社の自由と団体交渉権の承認」「強制労働の排除」「児童労働の実効的な廃止」「雇用と職業の差別撤廃」を支持し、その実践に取り組んでいます。
結社の自由、団結権、団体交渉権を社員の権利として容認しており、労働組合との労働協約を締結し、社員代表と経営層との労使協議や委員会を開催、賃金・一時金や労働安全衛生の協議に加え、諸制度の改善や、経営環境に関する定期的な意見交換を重ねながら労使の対話を進めています。
また、給与や労働時間等の労働基準においては、各国の法令順守を徹底するとともに、より良い労働環境の整備のため、一定の生活水準の維持が可能な生活賃金・一時金の支払いを実施しています。
ヤマトグループは、持続的に事業活動を進める上で、事業を行う国や地域の発展に寄与し、良好な関係を築くことが重要だと考えています。各国・地域の拠点においては、ローカルの人材雇用に注力しており、地域特有の文化や現状を踏まえた経営を推進しています。
ヤマトグループは今後も、より良い労働慣行の在り方を追求し、ディーセント・ワークの達成に貢献していきます。

キャリアを磨く人事制度/能力開発研修制度

ヤマトグループの最大の財産は「社員」であり、社員一人ひとりが「個の力」を磨き成長することが、ヤマトグループの成長に欠かせません。社員に対しては、まごころと責任をもってサービスを提供するための理念の浸透およびコミュニケーション能力の向上に加え、事業環境の変化が激しい中で新たな価値を創出するために主体的に考える力を養う必要があると考えています。そのため、ヤマトグループ各社では、公正な処遇により、社員一人ひとりが能力を十分に発揮できる人事制度・能力開発研修制度を構築し、運用しています。

社員のキャリア段階に応じた教育や研修を随時実施し、必要なスキルを身につけるとともに、社員が自らのキャリアを振り返り、今後のキャリアについて考える機会を提供しています。また、グループ各社やヤマト運輸の各支社などでは、それぞれの事業特性に合わせた能力開発研修を実施しています。

ヤマトグループでは、自身のキャリア形成についても、社員の「主体性」を重視しています。役職者への登用では、立候補制度を設け、グループ各社で多くの意欲ある役職者が誕生しています。次世代のリーダー育成を目的とする「ジュニア・リーダー・プログラム」への参加も、原則手を挙げた社員が受けられる仕組みとなっています。

人事制度/教育研修制度

図:人事制度/教育研修制度

提案制度「New Value チャレンジ」

「New Valueチャレンジ」は、社員一人一人が新たなサービスや事業モデルの創出に挑戦する企業風土の醸成を目的とした制度です。
本制度では、社員個人やチームからさまざまなアイディアを幅広く募集しており、応募されたアイディアは、経営トップを含む審査員による審査を経て、数件が採用となります。採用されたアイディアについては、各プロセスのゲート管理のもと、起案者自らが外部の事業創出専門家による伴走支援を受けながら、さらに企画を練り上げたうえで、実証実験を行います。その後、事業化への可能性を検討していきます。
2016年から開始された本制度ですが、アイディア部門の応募件数は、2016年度140件、2017年度472件、2018年度525件と年々増加し、採用された案件は合計で6件となりました。うち5件で実証実験を実施し、サービス化に向けて準備・検討中となっています。
ヤマトグループの多くのサービスは、顧客接点を持つ社員の声から生まれ、多くのお客様に喜んでいただいています。本制度を活用し、社会やお客様のニーズを新たなサービスにつなげるという社員意識を継承・発展させていくことで、持続的な事業発展につなげていきます。

グループ内ジョブローテーション

グループ連携意識の高い人材を育成し、事業推進や事業創出を牽引する人材の継続的な輩出につなげることを目的として、グループ内ジョブローテーションを実施しています。
社員を入社時の所属会社から異なる事業会社に転属することで、グループ各社が持つ強みを知り、その経営資源を組み合わせ、ソリューション提案が出来るような人材の育成を図ります。

グローバル理念研修

ヤマトグループ全社員が、社訓・グループ企業理念を理解し、業務で実践できる環境を確立させることを目指し、教育を行っています。事業を世界中で展開している今、特に国外の社員を対象とした理念研修に力を入れています。
海外の社員のために、社訓・グループ企業理念の英文をよりわかりやすい内容に刷新し、小冊子として社員全員に配布しました。また、2018年2月には、5日間にわたって「理念研修」を実施し、国内外12社から20名が参加しました。歴史や事業についての学習に加え、宅急便の集配体験やディスカッションと役員に向けたグループ発表なども実施しました。本研修の参加者を「理念アンバサダー」とし、自社での理念浸透推進の旗振り役としています。そして、この研修が参加者から好評であったため、研修内容を短く編集し、2018年3月~8月にかけて世界7カ所で2日間研修として実施しました。

写真:<5日間研修>宅急便センターにて
<5日間研修>宅急便センターにて
写真:<5日間研修>参加者の記念撮影
<5日間研修>参加者の記念撮影
写真:<2日間研修>欧州での研修の様子
<2日間研修>欧州での研修の様子

各社独自の教育研修施策

ヤマト運輸:「感動体験ムービー」を活用した研修

ヤマト運輸では、社員が仕事の中で体験した感動エピソードをDVDにまとめ、社員教育に活用しています。2009年にセールスドライバーの感動体験を集めた「SD編」、2010年に「事務・作業編」を作成。2012年10月には、職場で信頼関係が生まれ、絆が結ばれる瞬間を、社員の体験を元に9つのエピソードとして「感動体験『絆』編」を作成しました。
これらのDVDは主にセールスドライバーやゲストオペレーターなど、第一線ではたらく社員が参加する入社時研修や理念浸透研修の場で活用しています。社員が視聴することで、業務に対するモチベーションアップや行動の変化につなげています。

BIZ-ロジ事業会社:BIZロジQC大会

「第3回BIZロジQC大会」の様子

ヤマトグループのBIZロジフォーメーション5社(※1)を中心とする「QC(※2)サークル活動」に継続して取り組んでいます。
この活動は、作業品質を維持・向上させるとともに、社員のモチベーションアップや、いきいきとした職場づくりに取り組むものです。
2018年度は1年間の活動を通して249のQCサークルチームが結成され、1,748名のメンバーが参加しました。2019年2月22日には、各事業代表の16チームによる「第3回BIZロジQC大会」が開催され、互いの取り組み内容とその成果を披露しました。
沖縄ヤマトなどBIZロジフォーメーション以外のグループ各社にも活動の輪が広がり、今後もグループ内で改善活動を広げていきます。

※1 ヤマトグループ子会社のうち、プロフェッショナルな物流機能を磨き、企業向けのサービスを追求してきた5社の総称
http://www.yamato-hd.co.jp/business/biz-logistics.html
※2 QC=Quality Controlの略。品質管理手法のこと。

多様な働き方

社員一人ひとりが「個の力」を最大限に発揮するためには、多様な働き方の推進が重要です。
社員が「働きやすさ」と「働きがい」をともに感じられるように、さまざまな施策を行っています。

働き方改革

「全員経営」
それは、社員一人ひとりが、お客様の立場で考え、自ら判断して動き、それらが結集してヤマトグループの力となる、というヤマトグループが脈々と受け継いできたDNAです。そして、「全員経営」の実現には社員がいきいきと働ける職場環境が大前提であり、そのような環境づくりは経営の最重要課題だと考えています。
中期経営計画「KAIKAKU 2019 for NEXT100」でも、経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」でも、「働き方改革」は経営にとっての中心課題であり、働きやすく誇りを感じられる職場の実現によりディーセント・ワークの達成に貢献することを目指しています。
ヤマトホールディングスに「ヤマトグループ働き方創造委員会」を設置し、「働きやすさ」と「働きがい」の両方を高める様々な施策を行っています。
長時間労働の防止策として、ヤマト運輸における労働時間管理ルールの見直し・入退館データのデジタル化や、主管支店の再編成などを行いました。他にも、職場環境の整備や、労働日数・時間選択制度の導入、サービス内容の見直しなど、社員一人ひとりの生活を考慮した「働きやすさ」を追求しています。
また、社内コミュニケーションの活性化として、第一線の社員の声や業務改善の提案などを社長や役員に直接伝えることのできる、社員とのパネルディスカッションを実施しました。併せて、無期転換ルールの新設、人事制度や評価制度の見直し、福利厚生の充実なども行い、社員が「働きがい、働く喜び」を日々感じられるための施策に取り組んでいます。
「働き方改革」をさらに推し進めていくことで、社員の「働きやすさ」と「働きがい」を実現し、企業競争力の源泉である「全員経営」の強化を目指します。

TOPICS

物流全体の「働き方改革」実現へ
~「ホワイト物流」推進運動に賛同~

eコマース市場の急速な拡大や、労働需給の逼迫など、大きな環境変化に直面する中で、物流機能を安定化することは社会全体の大きな課題です。
 そこで、トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化、女性や60代の運転者等も働きやすいより「ホワイト」な労働環境の実現を目的として、国土交通省・経済産業省・農林水産省が推進する「ホワイト物流推進運動」が立ち上がりました。
 ヤマト運輸では、物流に関わる企業等のイニシアチブである「ホワイト物流推進運動」に賛同し、生産性の高い物流と働き方改革の実現に向け、取引先等の関係者との相互理解と協力のもとで、物流の改善に取り組んでいます。

 

育児・介護と仕事の両立支援

ヤマトグループでは、2018年に育児・介護に関する意識・実態調査を実施し、社員の働きやすさ向上のために、育児や介護に直面する社員に対する、グループ横断の支援制度や施策の検討・整備を進めています。

主なグループ会社では、育児短時間勤務は「子どもが小学校4年生終了時」まで、介護休業は「上限365日」と、いずれも法定期間を上回る期間取得できるようにし、社員のワーク・ライフ・バランスをサポートしています。
ヤマト運輸ではこれに加え、2018年9月から、育児・介護の事由がある社員に対して週の労働日数を3日または4日から選択可能とするとともに、2019年1月からは育児短時間勤務を「子どもが小学校6年生終了時」まで取得可能とするなど、より制度を利用しやすい環境整備に各社で取り組んでいます。
育児・介護中の社員やその上司にむけて両立支援のためのハンドブックを作成し、社内イントラサイトからダウンロードできるようにしています。また、社員やその家族が利用できる介護の24時間電話相談窓口を設置しており、外部の専門家による365日24時間の電話相談が可能です。育児や介護について話しやすい雰囲気が職場や上司にあるかどうかは、仕事との両立に向き合う社員の就業継続に大きな影響を与えます。そのため、職場や上司の理解につながる施策の検討および両立支援制度の定期的な周知を継続していきます。

育児・介護の支援制度(ヤマト運輸の例)

育児休業
  1. 配偶者も育児休業を取得の時は、子どもが1歳2カ月を迎えるまで取得できる
  2. 事情によって2歳の誕生日の前日まで延長可能
子どもの看護休暇
  1. 就学前の子どもについて1人であれば年5日、2人以上の場合は年10日まで取得できる
育児短時間勤務
  1. 子どもが小学校6年生終了まで申請の上で取得できる
  2. 週の労働日数を3日・4日から選択可能、かつ1日の労働時間を4時間・5時間・6時間・7時間・8時間の勤務から選択可能
  3. 申し出に関する子どもについて2回まで取得可能
介護休業
  1. 対象家族1人につき、通算365日を上限として取得できる
介護短時間勤務
  1. 対象家族1人につき、最長4年間取得できる
  2. 週の労働日数を3日・4日から選択可能、かつ1日の労働時間を4時間・5時間・6時間・7時間・8時間の勤務から選択可能

育児・介護休業および短時間勤務取得者数

こうした取り組みの結果、次世代育成支援対策推進法に基づき、厚生労働省より「子育て支援に取り組む企業」として、ヤマトロジスティクスとヤマトマネジメントサービスが「くるみん認定」を、ヤマトシステム開発が「プラチナくるみん認定」を取得しています。(2020年1月末時点)

社員との対話/満足度の向上

社員の「働きがい」を高めるため、グループ全体でさまざまな施策を実施しています。

働き方改革意識調査

経営の中心に据えて取り組んでいる「働き方改革」の実効性を高めていくため、グループ全体の社員を対象に、意識調査を行っています。
社員の意識を調査することによって現状を知り、ポイントが低い項目については、取り組みに反映させて改善を図っています。例えば、調査によって、女性社員は男性社員に比べて、働きがいを感じづらい状況にあることがわかりました。そのため、ダイバーシティ施策においては、その男女間の差を埋めるための活動に取り組んでいます。

2018年度は、現行の調査を開始した2017年度に比べて、全体的に数値が下回りました。現状の課題としてこれを認識し、明らかになった課題に対して真摯に取り組みを進めています。調査結果の経年変化を追うことで、実効性のある施策を行えるように活用していきます。

働き方改革意識調査結果

ヤマト運輸:業績表彰制度

ヤマト運輸では、毎年度上期と下期の2回、対象期間内に成果を出した任意の成功事例を事業所やプロジェクト単位で表彰する業績表彰制度を設けています。「『目的』と『取り組み』と『成果』の間に明確な因果関係がある」などの評価基準で選考し、特に優れたグループには「社長賞」が授与されます。
2018年度は1,149件のエントリーがあり、そのうち15件に社長賞が授与されました。また、半年間を通じて交通事故・労災事故・作業事故・クレームの発生件数ゼロ、加えてお褒め件数が1件以上を達成したセンター175店には「優秀センター賞」が贈られました。
社員一人ひとりの改善・改革に対する意識が高まり、第一線でさまざまな取り組みが行われた結果、エントリー数や受賞数は年々増加しています。

ヤマト運輸:提案制度「クロネコたまご」

「クロネコたまご」は、ヤマト運輸のすべての社員が業務改善や新商品・サービスに関する提案をすることができる制度です。自分が提案するだけでなく、他の社員の提案に対して、投票・意見を行うこともできます。寄せられた提案・意見のうち、実現に向けて検討する提案に「ヒント賞」を授与しています。
2018年度は、応募数が389件、ヒント賞は47件でした。