INTERVIEW
WITH KOJIMA
PRODUCTIONS
コジマプロダクション インタビュー

コジマプロダクションのプロデューサー・松花賢和さんに
今回のコラボプロジェクトに込めた想い、
『デス・ストランディング』とヤマトグループの
”つながり”など、さまざまなお話を伺いました。

”ルーデンス”と”クロネコ”がタッグを組んだことで完成したメインビジュアルは、物流を支え続けるヤマトグループと、エンターテインメントを牽引するコジマプロダクションによる”より良い明日を作りたい”という共通の想いから誕生しました。「ゲーム性・人や社会とのつながり・遊び」といったキーワードをもとに、本企画の旗振り役を務めていただいた松花賢和さんのインタビューをお届けします。

『デス・ストランディング』は、
そのタイトルも
決まっていないときに、
私が聞いたテーマは
もう本当にストレートでした。
「物を運ぶゲームなんだけど
どう思う?」と。

今回、コジマプロダクションさんとヤマトグループさんのコラボレーションが実現しました。コジマプロダクションのさまざまなセクションの方々が協力されたと伺っておりますが、本企画の監修をされたプロデューサーの松花賢和さんにいろいろとお話を伺っていきたいと思います。
(取材・文/沼野亮佑)

松花賢和さん(以下、松花) はい。よろしくお願いします。コジマプロダクションは会社を設立して四年が経過しているのですが、その中にいるスタッフは当然その四年よりも長いあいだ業界の中に身を置いている者が多く、それぞれ経験豊富な者が多く集まっています。コジマプロダクションという会社をひと言で説明するのは非常に難しいのですが、ひとつ言えることは、ゲームで刹那的に楽しい時間を提供するだけでなく、遊んでいただく方たちになにかを伝えたいというのがあります。監督の小島秀夫は独立以前からテーマ性を強く持ったタイトルを世に出してきました。その下にスタッフが集まり、それぞれ得意な分野でサウンド、アート、プログラムといった技術を遺憾なく発揮することで歯車を動かしていく。そうして監督だけでなくスタッフが抱く思いを作品に込めて世に送り出していくスタジオであると自負しています。

そのテーマ性というところで、小島監督から「今回はこういうゲームでいく」という構想を話されると思うのですが、そこからスタッフの皆さんでブリーフィングを重ねていくかたちなのでしょうか?

松花 こういうテーマを表現していきたいというのは小島監督から出てきます。ですが、普通と少し違うのは、監督は自分の言うとおりにしろというかたちは取らないのです。初期の段階からこういうゲ−ムにしたいとスタッフに投げかけたあとは「どう思う?これに対してなにかアイデアない?」といったように、スタッフからフィードバックを求めます。もちろんそれが良ければ「なるほど、それいいね」と採用になりますし、考えから大きく逸れることがあれば却下されることも多いです。基本的にはそういうキャッチボールを繰り返して作っていきます。しかし最初の一投はかならず、小島監督が世の中に対してこういうものを訴えたいんだというところから出てくるのです。集まっているスタッフも、小島監督が世の中に訴えかけていきたいこと、表現したいものを実現することを大切にしています。

なるほど。たとえば、先日PS4版に続きPC版が発売された『デス・ストランディング』に関しては、最初のテーマはどのようなものが投げかけられたのでしょうか?

松花 『デス・ストランディング』は、そのタイトルも決まっていないときに、私が聞いたのはもう本当にストレートでした。「物を運んで人々を繋ぐゲームなんだけど、どう思う?」と。最初にそのキーワードだけを聞いたときは物を運ぶゲームとはどういうことだ?と思ったのですが、その段階ですでに監督の頭の中には答えがあったのだと思います。いまの世の中、物を購入するにしてもお店ではなくネットで済ませますよね。人と人とをつなぐ手段がネット中心になり、リアルな体験として人と会うことが減ってきている。なにか位置関係が離れていっているような世の中が来ているな、というものが監督の頭の中にあった。それは現実に、人と人とのつながりが希薄になっていっているのではないかという懸念が、おそらく「配達」というキーワードの向こうにあり、それがこのゲームの中での大きなテーマになったと思います。『デス・ストランディング』の前は「反戦・反核」といった大きなテーマの作品を作っていたのですが、次の社会的なテーマとしてそういうビジョンを持っているのかと衝撃を受けました。すごい着眼点のところに来たなという思いはありましたね。

キーワードを投げかけられたのち、スタッフの皆さんは各々自身の作業に入っていくかと思うのですが、松花さんはプロデューサーとしてどのような役割を担っていくのでしょうか?

松花 私がチームに入りたての頃、といってももう20年以上も前なのですが、ゲームのプランニングというか、ゲームを組み立てる役職のスクリプトチームという部署にいました。スクリプト言語というものを使います。要はアートもサウンドもプログラムも、ひとつひとつが具材なんです。たとえば料理は、その具材を調理して盛り付けてからお客さんの前に出します。当然調理方法だったり、見栄え、どの順番で皿を出すかなど、いろいろな要素を考えて完成させますよね。スクリプトチームとはゲームのまさにそういう部分をつかさどっているセクションでした。私はそこでしばらく現場をやっていたのですが、やがてもう少しゲーム全体の進行だったり、俯瞰的にものごとを見る立場になっていきました。そんな期間がしばらく続き、『デス・ストランディング』では久しぶりに現場がしたいという私のわがままもあり、コードを書いて組み立てるという、原点に立ち返る仕事をしていました。ものを作る現場というのは楽しい反面、苦しみも多く、永遠にバグとの戦いだったりするのですが、ものを作っているという実感は本当に何事にも代えがたいですね。

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