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経営計画

経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」

「YAMATO NEXT100」は、前中期経営計画「KAIKAKU2019 for NEXT100」の成果と課題、外的環境の変化を踏まえ、今後のヤマトグループにおける、中長期の経営のグランドデザインとして策定したものです。
 宅急便のデジタルトランスフォーメーション(DX)、ECエコシステムの確立、法人向け物流事業の強化に向けた3つの事業構造改革と、グループ経営体制の刷新、データ・ドリブン経営への転換、サステナビリティの取り組み、の3つの基盤構造改革からなる「YAMATO NEXT100」を着実に遂行し、持続的な成長を目指します。
 中長期的(2024年3月期)に、営業収益2兆円、営業利益1,200億円以上、ROE10%以上をターゲットとしますが、2021年3月期は経営体制の移行期間とし、主要経営指標等を含む詳細な中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)を、2021年1月に改めて発表する予定です。

目次

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プレゼンテーションの説明

  • YAMATO NEXT100 -GRAND DESIGN-

  •  ヤマトグループは、1919年にトラック4台で創業して以来、日本初となる路線事業や「宅急便」の開発など、時代のニーズに応えるイノベーションを創出してきました。

     そして2020年1月時点では、全国約4,000の物流拠点、約54,000台の車両、約22万人の社員を擁し、社会インフラの一員として、物流を通じたお客さまや社会の課題解決に取り組んでいます。

     2017年4月から2020年3月までの中期経営計画「KAIKAKU2019 for Next100」では、次の100年もヤマトグループが持続的に成長していくための経営基盤の強化を目的に、「働き方改革」と「3つの構造改革」を進めてきました。

     中でも、「働き方改革」と「デリバリー事業の構造改革」については一定の成果を収めることができましたが、残る「非連続成長を実現するための収益・事業構造改革」、そして「持続的に成長していくためのグループ経営構造改革」については、社会経済環境の変化が改革の「スピード」・「内容」ともに、これを上回りつつある、という認識です。

     そこで、改めて検討を重ねた結果、さらなる抜本改革が必要との結論に至り、中長期の経営のグランドデザインである「YAMATO Next 100」を策定するに至りました。

  •  「YAMATO Next100」は、当社が社会インフラの一員として、これからも社会の課題に正面から向き合い、お客さま、そして社会のニーズに応えることができる「新たな物流のエコシステム」を創出することで、次の時代も、豊かな社会の実現に持続的な貢献を果たす企業となることを目的としています。

  • 今回、当社が「YAMATO Next 100」の策定に際して中心においた基本戦略についてご説明します。

     まず第1に、お客さま、そして社会のニーズに正面から向き合う経営に変えることです。
     2005年に純粋持ち株会社制に移行して以来、提供サービス単位のグループ会社編成で、各マーケットに対応してきましたが、これを改め、リテール、地域法人、グローバル法人、ECという、大切なお客さまにしっかりと向き合える体制(顧客セグメント単位の組織)と、それを支える経営システムをつくります。そして、大幅な組織の簡素化、業務の徹底的な見直しにより経営と事業の距離を縮め、「お客さまの立場で考え、スピーディーにお応えする」かつてのヤマトの姿を取り戻したいと考えています。

     第2は、これまでの 経験や労働力に依存した経営から、データドリブンな経営への転換です。
     物流の世界には、未だに勘や経験による意思決定が色濃く残っています。当社はこれを見直し、デジタルトランスフォーメーションを進め、宅急便はもちろん、物流オペレーションの全般をデジタル化し、効率化、標準化します。その上で、AIを積極的に活用し、データ分析に基づいた需要や業務量予測、そして経営資源の配置、プライシング・システムなどを上位のレイヤーで、客観的かつ科学的に意思決定していきます。その結果、第一線の現場は、お客さまにしっかりと向き合い、会社の顔として最高のパフォーマンスを発揮する。当社本来の「全員経営」を次の時代に向けて達成させるためにも、データ・ドリブンの経営システムに転換します。

     第3は、自ら運ぶだけでなく、オープンな物流インフラ、すなわち物流のエコシステムを作り出す経営への転換です。
     宅急便で築き上げてきた経営資源、データを徹底的にデジタル化し、「自ら運ぶ」だけでなく、お客様第一のオープンな物流インフラの創出を目指します。お客様のニーズに応えるために、外部パートナーとも協働し、プラットフォームのオープン化や新しい輸配送網を構築します。

  •  基本戦略のもとで策定した「YAMATO Next 100」の内容は、

    ・宅急便のデジタルトランスフォーメーション
    ・ECエコシステムの確立
    ・法人向け物流事業の強化
    の3つの事業構造改革と、

    その土台となる
    ・グループ経営体制の刷新
    ・データ・ドリブン経営への転換
    ・サステナビリティの取り組み
    の3つの基盤構造改革からなります。

  •  3つの事業構造改革の1つ目は、宅急便のデジタルトランスフォーメーションです。

     宅急便は、今後もヤマトグループの事業基盤です。これからは、徹底したデータ分析とAIの活用によって、需要と業務量予測の精度を向上させ、その予測に基づいた人員の適正配置、配車、配送ルートの改善などで、輸配送工程のオペレーションを最適化し、集配の生産性を大幅に向上させます。

     さらに、従来の仕分けプロセスを革新する独自のソーティング・システムを導入し、輸配送における仕分け工程を削減。仕分け生産性を4割向上することで、取扱個数の増減だけに左右されない、安定した収益構造に改めます。

     約6万人のセールスドライバーが、お客様とのコミュケーションを深め、そこで顕在化したニーズにデジタル化した仕組みで応えていく。そして今後も宅急便のサービスレベルを維持、向上させていく。この循環を持続的に回していくために、デジタル、ロボティクス、AIの活用を強力に進めていきます。

  •  ソーティング・システムについてご説明します。

     現在の宅急便仕分け作業は、全国に70か所あるベース(ターミナル)で3700ヵ所の宅急便センター行き荷物の仕分けを行っています。そして宅急便センターでは、再度作業担当者が、セールスドライバーが担当するコース毎に荷物を仕分けてから車両への積み込み作業を行います。

  •  ソーティング・システムでは、デジタル化、ロボティクス、ファクトリーオートメーションを活用し、ベースで宅急便センターのセールスドライバーが担当するコース別に荷物の仕分けをした上で宅急便センターへの送り込みを行います。
     その結果、全国3,700ヵ所の宅急便センターでは日々の仕分け作業が不要になります。ソーティング・システムは、ベースや宅急便センターでの大幅な生産性の向上と、仕分け要員の省人化、品質の向上を実現する仕組みです。

  •  事業構造改革の2つ目は、ECエコシステムの確立です。

     ここでは3つの柱があります。

     第一に新設するEC事業本部は、今後も進展が予想される「産業のEC化」に対応して新しい物流サービスを主にEC専業者に対して提供します。

     第二に、2020年4月より一部の地域でEC向けの新配送サービスを開始します。

     第三に、全国の物流事業者とヤマトグループの拠点やデジタル基盤とを融合し、まとめ配達や、配送距離の短縮化、オープンロッカーや取扱店受け取り、安心な指定場所配達などを通じて、EC事業者、購入者、そして運び手のそれぞれのニーズに応える、EC向けラストマイルサービスの最適解を導き出します。

  • ECエコシステムの全体像は、このようなイメージになります。

  •  事業構造改革の3つ目は、「法人向け物流事業の強化」です。

     グループ各社に点在している専門人材、グループ各社が保有している流通機能や、ソーティング・システムなどの物流機能、幹線などの輸配送ネットワークを結集することで、お客さまの立場に立った、高度なアカウントマネジメントを推進します。

     グループ各社が保有しているデータを「Yamato Digital Platform」に結集し解析することで、精度の高いリアルタイム情報を軸とした物流ソリューションの提案を行うとともに、販売物流や静脈物流に課題を持つ製造業や流通業などのサプライチェーン全体を最適化する、ソリューションの開発に注力してまいります。

     ヤマトグループでは、これまでもヘルスケア業界や農産品流通の分野において、アカウントマネジメントを通じたソリューション提供を行ってきましたが、今後は輸配送とデータ基盤を統合し、他の業種、業界に展開することで、更なる成長を目指します。

  •  まず最初は「グループ経営体制」 の刷新です。

     現在の機能単位の部分最適な組織を、顧客セグメント単位の全体最適な組織に刷新し、経営のスピードをより高めるために2021年4月、現在の純粋持株会社である当社(YHD)がグループ8社の吸収合併、および吸収分割を実施します。そして、「リテール」「地域法人」「グローバル法人」「EC 」の4事業本部と、「輸送機能本部」「プラットフォーム機能本部」「IT機能本部」「プロフェッショナルサービス機能本部」の4つの本部からなる「事業会社」、いわゆる「ONEヤマト」とし経営を行います。

     輸送機能本部は、幹線輸送を中心としたネットワーク、拠点、車両を含めた輸配送工程を全体最適化します。

     プラットフォーム機能本部は、YDP、クロネコメンバーズなどのデジタルプラットフォームの開発/運営。

     IT機能本部は、グループ内のIT機能の集約と強化、IT人材の開発などを担います。

     そして、プロフェッショナルサービス機能本部は、管理間接業務や調達業務を集約するとともに、徹底した業務の標準化、効率化を行います。

     新体制においても引き続き、経営の監督と執行の分離を明確にすることで、経営の透明性、健全性のためのガバナンスを強化し、企業価値、株主価値の更なる向上に努めます。

     更に、経営と現場との距離を縮め、意思決定の迅速化を行い、権限・責任の範囲を明確化することで、お客さまとのリアルな接点の強化に専念できる、「全員経営」へと、より進化させてまいります。

  • 基盤構造改革の2つ目は、データ・ドリブン経営への転換です。

     今後4年間で約1,000億円をデジタル分野に投資します。また、社内外のデジタル・IT人材を結集し、2021年4月には300人規模の組織を立ち上げます。

    その上で来期は
    1.データ・ドリブン経営による 予測に基づいた意思決定と施策の実施
    2.アカウントマネジメントの強化に向けた 法人顧客データの統合
    3.流動のリアルタイムでの把握による サービスレベルの向上
    4.稼働の見える化、原価の見える化による リソース配置の最適化、高度化
    5.最先端のテクノロジーを取り入れたYDPの構築、および 基幹システム刷新への着手
    の5つのアクションを実行します。

     これらに加え、すでに開設しているシリコンバレーの拠点を起点に、現地のスタートアップ企業や大手テクノロジー企業との連携を更に拡大します。

  •  基盤構造改革の3つ目は、「サステナビリティの取り組み」です。
     
     ヤマトグループは、サステナビリティに関して2つのビジョンを掲げます。

     「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」、そして「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない”社会の実現への貢献」です。これらは、持続可能な未来を切り拓くための、ヤマトグループの決意を示したビジョンです。
     
     「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」で目指すのは、人や資源、情報を高度につなぎ、効率輸送を実現した環境や生活、経済によりよい物流です。EVの導入や再生エネルギー利用の推進などによってCO2排出量実質ゼロに挑戦し、持続可能な資源の利用・消費モデルを創造し、強く、スマートな社会を支えます。

  •  もうひとつのビジョンは「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない”社会の実現への貢献」です。 “誰一人取り残さない”というワードは、持続可能な開発目標の基本理念です。
     
     ヤマトグループは、世界が目指す持続可能な社会の実現に向けてフェアな事業や、多様なパートナーとの共創により、様々な社会課題の解決をめざして、リーディングカンパニーとして貢献していきます。また働きやすい職場づくりを通じたディーセント・ワーク達成への貢献をはじめ、人権・ダイバーシティの尊重、安全・安心に関わる取り組みを進めてまいります。

  •  また、データを活用した経済と社会の共有価値の創出や、健全でレジリエンスなサプライチェーンマネジメント、共創による経済的・精神的に豊かな地域づくりについても注力していきます。

  •  「YAMATO NEXT 100」の実行によって私たちが目指している数値のターゲットについてご説明します。

     投資に関しては、2020年4月からの4年間でIT・デジタルへの投資、およびロボティクスの導入も含めた物流ネットワーク革新のための投資にそれぞれ1,000億円ずつを投じます。総投資額は車両のEV化などへの投資と合わせて4,000億円を見込んでいます。

     営業収益については宅急便の安定的な収益基盤にECや法人向け物流事業の成長を加えて2兆円、事業成長とともにコスト構造も抜本的に改善し、営業利益1,200億円以上、ROE10%以上を目指します。

  •  また、資本政策に関しては、安定的な配当と機動的な株主還元策に向け、適時適切な資本政策を検討します。

     資本政策上の主要指標については、ROE10%以上、配当性向30%以上、総還元性向は2021年3月期~2024年3月期までの累計で 50%以上を目安とします。

  •  最後に、「YAMATO Next 100」のロードマップをご説明します。

     短期的には2021年4月までの間に、新たな経営体制に向けた準備や、データ・ファーストの基盤づくりを着々と進めるとともに、データ分析とAIによる宅急便の稼働効率の向上、EC向け新配送サービスの開始、法人事業でのソリューションモデルの構築を行います。

     “ワンヤマト”体制になる2021年から2024年の中期においては、宅急便をネットワークやオペレーション全体の最適化を達成するとともに、ECプラットフォームや、法人・地域のサプライチェーンに対するソリューションが、本格的に価値提供できることを目指します。

     2024年以降の長期では、先端テクノロジーの活用や様々なステークホルダーとの共創によるオープンなプラットフォーム、つまり「新たな物流のエコシステム」を確立し、次の時代も豊かな社会の創造に持続的に貢献してまいります。

関連資料

経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」(PDF:4.50MB)

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ヤマトグループ中期経営計画書(2017-2019)(PDF:328kB)

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