決算概要

連結業績予想(2026年3月期)

ヤマトグループを取り巻く経済環境は、緩やかな改善の兆しが見られる一方、物価上昇と実質賃金減少の継続等により、個人消費の停滞感が根強く残りました。また、人手不足やエネルギー・原材料価格の高止まり、さらには地政学リスクの高まり等、依然として厳しい事業環境が続いており、先行きは見通しづらい状況にあります。
このような中、ヤマトグループは、経営理念に掲げる「豊かな社会の実現への貢献」を通じた持続的な企業価値の向上を実現するため、「持続可能な未来の実現に貢献する価値創造企業」を2030年の目指す姿として定めました。
そして、2027年3月期を最終年度として策定した中期経営計画「サステナビリティ・トランスフォーメーション2030 ~1st Stage~」を「宅急便ネットワークの強靭化と事業ポートフォリオを変革する3年間」と位置づけ、宅急便ネットワークの強靭化と提供価値の拡大、サプライチェーン全体に拡がるソリューションの提供を通じた法人ビジネス領域の拡大、多様化する顧客や社会のニーズに応える新たなビジネスモデルの事業化、グループ経営基盤の強化などに取り組み、「経済価値」を生み出すとともに、社会の持続可能性への取組みによる「環境価値」「社会価値」の創造を推進しています。
2026年3月期は、基盤領域である宅急便ビジネスにおいては、収益構成の変革と付加価値に応じた適正なプライシング収受に注力し、法人ビジネスにおいては、法人向け輸配送ネットワークおよびオペレーションノウハウを生かした顧客への案件提案と獲得につなげることで、営業収益を再び成長軌道に乗せていきます。また、拠点戦略を通じて宅急便ネットワークをより効率的・持続的な形に強靭化を図るとともに、顧客ニーズに対応し、輸送・積載効率を高め、固定費抑制と業務量に応じた変動費管理によりオペレーティングコストの適正化を図ることで、さらなる利益成長に取り組んでいます。
通期の連結業績予想は、業績が概ね計画通り推移しているため、前回発表(2025年7月30日発表)から変更ありません。
なお、中期経営計画「サステナビリティ・トランスフォーメーション2030 ~1st Stage~」の進捗状況、事業環境の変化等を踏まえ、最終年度である2027年3月期の数値計画をアップデートしました。当中間期において着実に進捗しているプライシングの適正化や法人向けビジネスの拡大、オペレーティングコストの適正化、間接コストの削減といった利益成長ドライバーの強化を図るとともに、バランスシート・マネジメントの強化とキャピタル・アロケーションの最適化を通じて持続的な企業価値向上に取り組んでいきます。

(単位:百万円)

  営業収益 営業利益 経常利益 親会社株主に帰属する当期純利益 1株当たり当期純利益(円)
通期 1,880,000 40,000 40,000 24,000 75.66