企業市民活動
ヤマトグループは、創業以来、社会とともに成長してきた会社です。豊かな地域づくりは、ヤマトグループの成長と発展の基盤であると考えています。地域社会の健全で持続的な発展と、そこに暮らす人々の質の高い生活の確保を目指し、ヤマトグループが持つ様々な資産(ネットワーク、ノウハウ、人材など)を活用して、企業市民活動に取り組んでいます。
企業市民活動方針
ヤマトグループは、地球環境や地域の安全・コミュニティに関わる社会課題に対し、事業活動および企業市民としての様々な活動を通じて、共創による、フェアで、“誰一人取り残さない”社会の実現に貢献します。
推進体制
ヤマト運輸(株)は、地域に根差した当社らしい企業市民活動を目指し、各地域にサステナビリティ活動を推進する「サステナ アンバサダー」を配属しています。2025年3月末現在、全国で252名のサステナ アンバサダーが活躍しています。
サステナ アンバサダーは各地域の活動事例をサステナカフェ(オンライン交流会)で共有することで、自地域での活動の参考にするとともに、サステナビリティの取り組みへの理解を深めています。
サステナビリティ週間
ヤマト運輸(株)は、社員一人ひとりがサステナビリティについて学び、行動変容を促すための強化期間として「サステナビリティ週間」を年2回実施しています。
2024年度下期サステナビリティ週間では、「みんなで資源循環に貢献しよう」 をテーマに、全社員がマイボトルの利用や廃棄物の分別に取り組みました。サステナ アンバサダーは各地域の特性に合わせて取り組みを推進する他、独自のイベントの企画などをおこないました。


重点テーマ
ヤマトグループは、世の中の社会課題やグループ企業理念、宅急便の生みの親である故・小倉昌男の福祉への想いから、「環境」「安全」「地域コミュニティ」「ダイバーシティ&インクルージョン」の4つを重点テーマに定めて取り組んでいます。地域のパートナーとの協働により、社員がさまざまな価値観に触れることで社会課題への意識を向上し、将来にわたり豊かな社会の実現に貢献することを目指します。
環境
全国にネットワークを有するヤマトグループにとって、地域の環境保全に取り組むことは社会的責務と考えています。地域の豊かな自然を次世代に繋げていくため、こどもたちへの環境教育や地域の環境保全を通じて、自然との共生社会の実現を目指します。
クロネコヤマト環境教室の開催
ヤマト運輸(株)は、次世代を担う子どもたちへの環境教育をサポートするため、当社の社員が全国の学校に出向いて授業をおこなう「クロネコヤマト環境教室」を2005年10月より実施しています。これまでの実施実績については、ESGに関するデータ類をご参照ください。
2023年10月には学習指導要領に合わせて、小学校4年生~6年生を対象としたプログラムにリニューアルしました。
当社の環境の取り組みをクイズ形式で伝えた後、ワークシートを使用したグループワークをおこない、子どもたちが自分でできる環境の取り組みを考える授業です。子どもたち一人ひとりの地球にやさしい行動の積み重ねが地域の環境保全につながることを学び、子どもたちが環境に取り組むきっかけとなることを目指します。
「クロネコヤマト環境教室」の概要・申込み方法などの詳細は環境教室案内チラシ[PDF:380KB]をご参照ください。


生物多様性の保全
ヤマトグループは、事業活動が生物多様性に影響することを認識し、豊かな社会を支える自然と共生するために、地域の生物多様性の保全に取り組んでいます。
詳細は「生物多様性の保全」をご参照ください。
地域イベントへの出展
ヤマトグループは環境の活動を通じて地域の方々との交流を深めるため、各地域の環境イベントに積極的に参加しています。
ヤマト運輸(株)新宮城主管支店は、2024年7月13日に開催された(公財)みやぎ・環境とくらし・ネットワーク主催の第28回「MELONフェスタ」に参加しました。「MELONフェスタ」は、衣・食・住の3つのテーマで、環境とくらしを考え、地球と地球環境保全に寄与することを提案するイベントです。
当社は「住」をテーマに環境負荷を低減するための置き配サービスの利用を提案し、地域の皆さまに理解を深めていただきました。


地域清掃・美化活動
ヤマトグループは地域の清掃・美化活動を積極的におこなっています。
ヤマト運輸(株)久留米主管支店は、2024年11月17日に開催された第5回「スポGOMI大会inくるめ」に協賛しました。スポGOMIとは、「ごみ拾いはスポーツだ!」をモットーに制限時間内に定められた区域内のごみを拾い、拾ったごみの質と量をポイントに換算し、獲得ポイントを競い合う地球にやさしいスポーツです。
当社は協賛企業としての賞品提供の他、審判、ごみ拾いチームとしても参加し、大会全体で約165kgのごみを拾いました。


安全
「安全第一、営業第二」の理念を掲げているヤマトグループにとって、次世代を担うこどもたちに交通安全の大切さを知ってもらうことは使命だと考えています。また、大規模な災害の発生に備え、地域と連携して防災・復興支援活動を実施することは社会インフラ企業としての責務と認識しています。地域の安心・安全な生活の実現を目指し、継続して取り組みをおこなっています。
ヤマト運輸(株)は、地震などの自然災害発生後の復旧・復興活動への参加を対象とするボランティア休暇制度を2020年に開始しました。
こども交通安全教室
ヤマト運輸(株)は、交通ルールや交通安全の知識を伝える「こども交通安全教室」を1998年から実施しています。これまでの実施実績については、ESGに関するデータ類をご参照ください。
セールスドライバーを中心とした社員が地域の保育園・幼稚園・小学校などに出向き、交通安全について分かりやすく指導します。特に集配車両の乗車体験は、車両の内部を見学するとともに運転席に座って死角を確認するという内容で、普段はできない体験に子どもたちだけでなく保護者や先生方からもご好評をいただいています。
この取り組みは海外も含め、ヤマトグループ各社にもさまざまなかたちで広がっています。


交通安全クイズWEBサイトの開設
沖縄ヤマト運輸(株)は、沖縄バスケットボールが運営する、プロバスケットボールチーム 「琉球ゴールデンキングス」とコラボし、チームマスコット「ゴーディー」とともに、クイズ形式で楽しく交通安全を学ぶことができる「交通安全クイズ」WEBサイトを開設しました。全10問のクイズに〇×で答えることで、楽しく分かりやすい形式で交通安全を学ぶことができます。また、答え合わせのページには交通安全に関する解説を掲載しており、「道路への飛び出しが危険である」こと、「車の運転手には死角がある」ことなど、より学びを深めてもらうことができます。

夏のカンパの実施
ヤマトグループ企業労働組合連合会は、公共の道路を利用して事業を営む企業の労働組合として、交通事故犠牲者の遺族を支援することを目的に、「夏のカンパ」を1987年より実施しています。これまでに集まったカンパは総額20億円を超えています。
2024年度はヤマトグループ約17万人の社員から8,653万円のカンパが寄せられました。このカンパは、親を亡くした遺児を物心両面から支える非営利団体「あしなが育英会」と、障がい者の自立と社会参加を支援する(公財)ヤマト福祉財団に寄付されます。
地域コミュニティ
ヤマトグループの事業は、地域社会の皆さまによって支えられています。日頃から大切にしている経営理念「豊かな社会の実現」の達成に向けて、地域のパートナーとの協働を通じて、地域と個人との繋がりを大切にしていきます。
音楽宅急便「クロネコ ファミリーコンサート」
ヤマトグループは、お客さまや地域の皆さまに感謝の気持ちを込めて、本物のいい音楽を年齢や地域を超えてすべての人にお届けすることを目的に、音楽宅急便「クロネコ ファミリーコンサート」を1986年から開催しています。このコンサートは未就学児も入場でき、クラシック初心者の方でも楽しめるプログラムが特徴です。これまでの実施実績については、ESGに関するデータ類をご参照ください。
2024年度は、北海道・東京都・千葉県・富山県・岐阜県・山口県の6都市で開催しました。音楽に合わせて会場の皆さまとダンスをしたり、地域の合唱団の方がオーケストラと協奏し客席の皆さまとも合唱をするなど、会場が一体となる参加型の企画をお楽しみいただきました。
各地での公演の運営には地域の社員も参加し、来場されるお客さまの受付や交通遺児のための募金への呼びかけなどに携わっています。
特設サイト

こども向け職業・社会体験施設への協賛
ヤマト運輸(株)は、キッザニア東京・甲子園・福岡のオフィシャルスポンサーです。
未来を担う子どもたちが社会の仕組みや働くことの目的を理解する機会創出のため、2006年キッザニア東京のオープン当初より、宅急便の集配業務を行う「セールスドライバー」の仕事が体験できる「宅配会社」パビリオンを出展しています。セールスドライバーの仕事を通じて、人と人とのコミュニケーションやチームワーク、思いやりの大切さを理解し、任された仕事を最後までやりぬくことの重要さを知るお手伝いをしています。
キッザニア福岡では、近年のEC利用の拡大とともに多様化するニーズに合わせ、駅やスーパーなどお客さまの生活導線上に設置されているオープン型宅配便ロッカー「PUDOステーション」を用いたアクティビティを新たに導入し、非対面・非接触の集配を体験できます。



「全国離島交流中学生野球大会」への協賛
ヤマト運輸(株)は、2008年の第1回大会から「国土交通大臣杯 全国離島交流中学生野球大会(通称:離島甲子園)」を応援しています。本大会は、離島の子どもたちに、夢・希望・勇気や挑戦する心を伝え、野球を通じて交流することで、スポーツの垣根を超えて健全な育成を促進し、離島に新しい風を吹き込み、島の活性化に寄与する存在を目指しています。
2025年8月18日から22日にかけて宮古島市で第16回大会が開催され、28自治体25チームが参加いたしました。ヤマト運輸(株)と沖縄ヤマト運輸(株)で、各離島の営業所社員から各野球チームへ応援メッセージが書かれた「のぼり旗」を贈呈するとともに、大会に参加する選手たちの手荷物配送をサポートしました。


見学施設
羽田クロノゲート見学コース・関西ゲートウェイ見学コースでは、宅急便をはじめとする物流の仕組みやヤマトグループの目指す未来を紹介しています。
「ヤマトグループ歴史館 クロネコヤマトミュージアム」は、ヤマトグループが2019年11月29日に創業100周年を迎えたことを記念して設立しました。ビル内のスロープを活用した展示構成となっており、スロープを螺旋状に下りながらヤマトグループ100年の歴史を見学できる施設です。また「宅急便体験コーナー」や「未来創造ラウンジ&ライブラリー」も併設し、大人だけでなく、子どもたちにも楽しんでいただける施設となっています。
アフリカのこどもたちに靴を届ける活動
台湾ヤマト(TAIWAN YAMATO INTERNATIONAL LOGISTICS INC.)では、社員一人ひとりが社会的責任を果たしたいという思いから、公益団体を通じて、不要になった靴をアフリカに届ける活動をおこなっています。
アフリカでは「スナノミ症」と呼ばれる皮膚疾患のために、歩行困難や足の壊疽などに苦しんでいる子どもたちが多くいます。スナノミ症は世界保健機関(WHO)が「顧みられない熱帯病(NTDs)」の1つに数える疾患で、靴を履くことが最も有効な予防策といわれています。


「絵本を届ける運動」に参加

ヤマトシステム開発(株)は、(公社)シャンティ国際ボランティア会(SVA)の「絵本を届ける運動」に賛同し、2013年度から継続的に参加しています。
社員とその家族が協力して、日本で出版された絵本の日本語部分に、現地の言語が印刷されたシールを貼り付ける作業を実施し、カンボジア・ラオス・ミャンマー・アフガニスタンなどアジア各地に、絵本を届ける活動を行っています。
ダイバーシティ&インクルージョン
ヤマトグループは、約18万人の社員を抱え、誰もがいきいきと活躍できる社会の実現を目指しています。多様な生き方、多文化を尊重し合い、一人ひとりの個性を生かせるよう、さまざまな人材が活躍できる基盤づくりに貢献します。
(公社)ヤマト福祉財団の活動
(公社)ヤマト福祉財団は、宅急便の生みの親である故・小倉昌男が、心身に障がいのある方々の「自立」と「社会参加」を支援するため、1993年9月に私財を投じて設立した団体です。ヤマトグループの企業姿勢に基づき、障がいのある方の自立支援活動を推進することで、ヤマトグループの社会貢献活動の一翼を担っています。
助成事業

| 障がい者給料増額支援助成金 | 障がいのある方々の自立を支援するため、障がい者の給料増額を目的とした新規事業の立ち上げや、生産性向上に必要な設備・機器を購入する資金を助成しています。 |
| 障がい者福祉助成金 | イベント活動やスポーツ活動、会議、調査、出版など、障がいのある方々の幸せにつながる事業・活動に対し、幅広く助成しています。 |
| 障がいのある大学生への奨学金支給 | 障がいを乗り越えて、社会の役に立ちたいと学ぶ大学生のための奨学金(給付型)を贈呈しています。 |
「障がい者の働く場パワーアップフォーラム」の開催

1995 年、初代理事長の小倉昌男が障がい者施設の運営者を対象に「月給1万円からの脱却」を目指して開始した「小規模作業所パワーアップセミナー」が起源です。現在は、福祉施設関係者および障がい者の働く場づくりに関心のある方々を対象に、毎年全国各地でフォーラムを開催しています。
ヤマト福祉財団小倉昌男賞の贈呈

障がいのある方々の仕事づくりや雇用の創出・拡大、労働条件の改善などを積極的に推し進め、働く喜びと生きがいをもたらした方の功労をたたえ、毎年2名の方に「ヤマト福祉財団小倉昌男賞」を贈呈しています。
障がい者の就労等を支援する他団体への助成

(公社)ヤマト福祉財団は、自ら実施する事業の他にも、障がい者の就労等を支援している他団体や、ヤマト福祉財団小倉昌男賞の受賞者が立ち上げた各種プロジェクト等に対し、助成や企画・運営支援を行うことで活動の幅を広げています。
ボランティアプロジェクト

ヤマト運輸労働組合と連携し、ヤマトグループの社員およびそのご家族が、それぞれ地域の障がい者施設の利用者・職員とつながり、交流を深めていくボランティアプロジェクトを推進しています。2024年度は延べ88名のボランティアが参加しました。
(株)スワン

(株)スワンは「障がいのある人もない人も、ともに働き、ともに生きていく社会」というノーマライゼーションの理念を実現させるために、故・小倉昌男が(公社)ヤマト福祉財団、ヤマトホールディングス(株)と共同で設立した会社で、現在はヤマトホールディングス(株)の特例子会社として35名の障がい者が働いています。
(株)スワンでは、障がいのある方々がパンの製造・販売、衣類のクリーニング、ビル清掃などの業務をおこなっています。パンの製造・販売を行うスワンベーカリーの店舗は現在、直営店5店、フランチャイズ19店が全国に展開しており、約300名の障がい者が経済的に自立をし、仕事を通して社会参加をはたしています。
ランドリー事業
ヤマト運輸(株)の大型物流施設で使用している安全靴やヘルメットのクリーニング業務を2021年からはじめ、現在は、物流施設で働いている方の作業着や安全のための防護具、野球大会やバレーボール大会で使用するユニホームなどのクリーニングに領域を拡大しています。2025年からは、(福)ヤマト自立センターとの連携も強化し、さらに事業領域の拡大、障がいのある方の職域拡大をおこなっています。


オフィスキーピング事業
2021年から現在のヤマト銀座ビル(旧本社施設)内で、障がいのある方々による会議室や共有スペース、社員食堂などの清掃業務を開始しました。一つ一つの課題に障がいのある方と一緒に向き合い、効率的かつきれいに清掃するための道具を探し、その使い方を研修するなど業務のレベルアップを図ってきました。2025年には今までのノウハウを映像にまとめ、ヤマト運輸(株)の主管支店、営業所へ展開する活動を始めています。


(福)ヤマト自立センター
(福)ヤマト自立センターはノーマライゼーションの理念を実現させるために、故・小倉昌男がヤマト運輸(株)と共同で設立した組織です。「はらたくよろこびをともに」をスローガンに、障がいのある方が地域で自立して、生き生きと笑顔で働けるよう、就労に必要な知識や技術の習得、就労先の開拓、就労後の定着を図る支援を行っています。また、2011年度より障害者就業・生活支援センター(略称、ナカポツ)を受託、関係機関と連携し、障がいのある方の就業と日常・社会生活上の相談・支援を実施しています。
| 事業所名 | 事業内容 |
|---|---|
| スワン工舎新座 | ・ベーカリー(パンの製造・販売) ・ランドリー(ユニフォームやエプロンなど衣類のクリーニング) ・清掃業務(障がい害のある方が使いやすいように工夫された道具を使用する清掃) |
| スワン工舎羽田 | ・ランドリー(ユニフォームやエプロンなど衣類、安全靴、ヘルメットのクリーニング) ・清掃業務 |
| 障害者就業・生活支援センターSWAN | ・障がいのある方に対する仕事探し・働き続けるための支援 ・障がいのある方の雇用を検討されている事業主への支援 ・障がいのある方に社会経験を積む機会提供を事業主へ依頼 |



(福)ヤマト自立センターから一般企業へ就職した卒業者たちの、社会での活躍を祝い、励ますための年次イベント「卒業者の集い」を開催しています。「卒業者の集い」では新たに企業へ就職した卒業者一人ひとりに、理事長から修了証書が手渡され、卒業者の努力と成長を称えます。また、卒業後、同じ企業で10年にわたり勤務を続けている卒業者は永年勤続者として表彰します。
「卒業者の集い」は卒業者本人だけでなく、その家族や来賓、(福)ヤマト自立センターの職員などが一堂に会す他、永年勤続者の勤務先からは日頃の勤務の様子や今後の応援メッセージが届けられます。障がいのある方々が地域社会で自立し、生き生きと働き続けることを、法人、家族、そして社会全体で支えていくという、(福)ヤマト自立センターの理念を体現した、大切な機会と位置付けています。

補助犬支援
ヤマトシステム開発は、2017年から、身体に不自由のある人をサポートしている”身体障がい者補助犬(盲導犬・聴導犬・介助犬)”を育成・認定・広報などを行っている日本聴導犬推進協会へ使用済切手、未使用切手、書き損じはがき、未使用のはがき、テレフォンカード、各種金券類、洗剤、犬具など支援物資を届けています。


