資源循環・廃棄物 ~資源循環を進める、廃棄物を減らす~

ヤマトグループは、環境方針のもと環境保護に取り組み、マテリアリティの一つでもある「資源循環・廃棄物」においては、環境負荷の抜本的な削減および環境影響を最小化する技術の利用や機会創出を進めています。

目標と実績

中期計画における目標と実績(2024)
マテリアリティ 2024年度目標 2024年度実績
資源循環・廃棄物
  資源循環を進める、廃棄物を減らす
  循環型社会実現への取り組み 循環型ビジネスモデルの推進
(学生服リユースモデルの展開)
資源循環ソリューションの提供
(学生服リユースモデルの提供を開始)
プラスチック資材の再生材率向上・別素材への切替検討 再生材比率50%のポリ袋を一部採用
省資源への取り組み 紙材における再生可能資源・再生材の利用 63% 紙材における再生可能資源・再生材の利用 64%
配送使用資材再生材使用率向上 伝票封入貼付袋を再生材利用100%素材へ変更
紙材使用量2021年度比 18%削減 紙材使用量2021年度比 18%削減
海外事業における対象資材の再生材利用率 86% 海外事業における対象資材の再生材利用率 91%
パッキング事業における廃棄物量2023年度比 10%削減 パッキング事業における廃棄物量2023年度比 12%削減
廃棄物への取り組み 埋立処分率 5%以下 埋立処分率 4%
リサイクル率 83%以上 リサイクル率 89%
水保全の取り組み 水使用量2020年度比 7%削減 水使用量2020年度比 13%削減
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* 海外連結会社それ以外の項目は日本国内連結会社および(株)スワン

関連するSDGs
3 すべての人に健康と福祉を
6 安全な水とトイレを世界中に
9 産業と技術革新の基盤をつくろう
11 住み続けられるまちづくりを
12 つくる責任つかう責任
15 陸の豊かさも守ろう
17 パートナーシップで目標を達成しよう

その他の目標は、「サステナビリティ戦略・目標と実績」をご参照ください。

持続可能な資源利用

ヤマトグループは、グリーン購入やリサイクルの推進、環境に配慮した包装資材の開発などに取り組み、資源循環に努めています。
使用後の制服や廃タイヤなどのリサイクル、緩衝材不要あるいは分別しやすい包装資材の研究・開発、再生材を使った梱包での海外生活支援サービスの提供も進め、循環型社会の実現に寄与しています。ヤマトグループは、持続可能な開発目標(SDGs)の目標12、持続可能な生産消費形態の確保に真摯に向き合っています。

包装資材の省資源・再生材率の向上

ヤマト運輸(株)は用途に合わせた多様な包装資材を提供しており、包装資材の改良による省資源化と再生材利用率向上に向けた取組みを進めています。
スマートフォン用フィットパックは、フィルムを使わずに段ボール素材のみでスマートフォンを梱包できるよう開発された資材です。今後、他の精密機器包装材にもフィルムレス仕様の展開をはかります。
酒BOXは、酒類を安全に輸送するための専用資材です。インナーパッドの組み立てやすさとサイズダウンを両立する改良を行い、従来品に比べてダンボール使用量を約38%削減しました。また、FSC認証紙を使用しています。

スマートフォン用フィットパック
スマートフォン用フィットパック
酒BOX
酒BOX

パフォーマンスデータ

使用した資材等
項目 詳細 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
投入量(t) リサイクル材料
(再生材)(t)
使用したリサイクル
材料割合(%)
投入量(t) リサイクル材料
(再生材)(t)
使用したリサイクル
材料割合(%)
投入量(t) リサイクル材料
(再生材)(t)
使用したリサイクル
材料割合(%)
投入量(t) リサイクル材料
(再生材)(t)
使用したリサイクル
材料割合(%)
投入量(t) リサイクル材料
(再生材)(t)
使用したリサイクル
材料割合(%)
原材料 木材、合板等 0 0 0 1,013 0 0 0 0 0 0 0 0 0.18 0.01 0
化学物質 塗料等 0.1 0.0 0.0 0.0 0.0 0 0.0
自動車部品 車両のパーツ 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0.07 0
車両のタイヤ・タイヤチューブ 3,709 13 0 3,416 6 0 3,663 440 12 4,065 611 15 4,171 705 17
車両 車両本体 15,310 0 0 21,379 0 0 6,997 0 0 9,544 8 0 11,345 210.81 2
仕分け装置 自動仕分け機、ベルトコンベア 102 0 0 311 1 0 231 0 0 92 0 0 76 0 0
工具器具備品 ロールボックスパレット、コールドボックス等 4,392 0 0 7,186 0 0 1,359 0 0 10,187 0 0 5,955 0 0
集配機材 クール備品(バッグ) 125 0 0 131 0 0 109 0 0 149 0 0 139 0 0
紙材 伝票 9,084 0 0 9,941 0 0 8,346 0.5 0 7,409 0 0 7,268 14.9 0
コピー用紙 2,701 596 22 3,084 1,057 34 2,905 1,876 64.6 2,516 1,691 67 2,104 1,443 68.6
荷造り用ダンボール 15,352 12,196 79 26,251 20,411 78 24,933 22,047 88.4 22,448 20,313 90 22,772 20,444 89.8
集配用資材(不在票・PPロール紙等) 1,648 0 0 2,123 1 0 2,111 0 0 2,143 0 0 1,904 0 0
紙材合計 28,785 12,793 44 41,399 21,468 52 38,295 23,924 62.5 34,516 22,004 64 34,049 21,903 64.3
容器・包装材 荷造用梱包資材 4,311 1,427 33 3,790 1,317 35 4,043 1,275 31.5 3,347 1,146 34 3,435 918 26.7
緩衝材 1,060 259 24 1,063 164 15 844 191 22.6 796 267 33 897 418 46.6
弁当容器・パン包装用袋* 2 0 0 2 0 0 1 0 0 1 0 0 1 0 0.0
容器・包装材合計 5,372 1,686 31 4,855 1,482 31 4,888 1,466 30 4,144 1,412 34 4,333 1,335 30.8
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  • 範囲:国内連結会社および(株)スワン
  • 四捨五入のため、内訳と合計が一致しない場合があります
  • *(株)スワンにて使用、2020年度より集計
回収量
(t)
項目 詳細 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
梱包資材 発泡スチロール 57.3 35.5 0.7 0.8 1.2
  • 範囲:国内連結会社および(株)スワン
水源別取水量
項目 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
地表水(千m3 3 13 11 12 12
地下水(千m3 9 8 0 0 0
雨水(千m3 0 0 0 0 1
水道水(千m3 1,679 1,809 1,553 1,479 1,453
合計(千m3 1,691 1,831 1,564 1,491 1,467
再利用した水(千m3 5 3 3 3 4
再利用割合(%) 0.28 0.16 0.21 0.21 0.30
水使用原単位
(千m3/営業収益1億円)
0.0855 0.0927 0.0799 0.0781 0.0773
  • 範囲:国内連結会社および(株)スワン
  • 推計を含む。
廃棄物・リサイクル
年度 項目 有害廃棄物(t) 非有害廃棄物(t) 合計(t) 率(%) 廃棄物原単位(t/営業収益1億円)
2020年度 発生量 10 48,346 48,357 100 2.45
リサイクル量 1 22,889 22,889 47  
回収量 0 4,752 4,752 10
焼却量 6 15,801 15,807 33
最終処分量 3 4,905 4,908 10
2021年度 発生量 16 47,775 47,791 100 2.42
リサイクル量 5 21,346 21,351 45  
回収量 0 4,637 4,637 10
焼却量 9 16,763 16,772 35
最終処分量 1 5,030 5,031 10
2022年度 発生量 12 40,259 40,271 100 2.06
リサイクル量 4 18,991 18,996 48  
回収量 1 6,958 6,959 17
焼却量 6 11,024 11,030 28
最終処分量 1 2,956 2,957 7
2023年度 発生量 13 41,261 41,274 100 2.11
リサイクル量 4 22,949 22,953 56  
回収量 1 11,673 11,674 28
焼却量 6 4,354 4,360 11
最終処分量 2 2,215 2,216 5
2024年度 発生量 14 40,009 40,023 100 2.11
リサイクル量 6 23,091 23,097 58  
回収量 1 12,403 12,404 31
焼却量 6 2,942 2,948 7
最終処分量 1 1,507 1,508 4
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  • 範囲:国内連結会社および(株)スワン
  • 有害廃棄物は、日本の廃棄物処理法で定める「特別管理廃棄物」
  • 非有害廃棄物は、その他の廃棄物(特別管理廃棄物を除く産業廃棄物、一般廃棄物、有価物)
  • 四捨五入のため、内訳と合計が一致しない場合があります
漏出量
(千m3
2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
0 0 0 0 0
  • 範囲:国内連結会社および(株)スワン

その他、燃料や排水量等のデータ

環境負荷低減の取り組み

事例1:廃タイヤのリユース・リサイクルに関するメーカーとの協働プログラム

運送業を主体とするヤマトグループにとって欠かせない自動車部品でありながら消耗品であるタイヤは、事業推進する上で環境負荷への配慮が特に必要となります。
当グループは、タイヤのリユース・リサイクルに関する協働プログラムを、ブリヂストンBRM株式会社や東光タイヤ工業株式会社と推進しています。廃タイヤは協働先で洗浄・補修・成形・耐圧検査などの行程を経てリトレッドタイヤ(更生タイヤ)として再生されています。 リトレッドタイヤは新品タイヤに比べ、原材料の使用量を三分の一以下に抑えることができ、タイヤの使用期間を長期化することで、タイヤの新たな生産と廃棄の抑制につながります。
2024年度にヤマトオートワークス(株)が仕入れ、ヤマト運輸(株)が購入した リトレッドタイヤは40,461本(前年比117%)に上っており、リトレッドタイヤ使用を拡大しています。

リトレッドタイヤの製造工程
リトレッドタイヤの製造工程

*1 成型の工程でトレッドゴムを貼り付ける
*2 加硫とは、ゴムを加工する際に、圧力や熱を加え、弾性や強度を確保する工程のこと

事例2:制服のグリーン購入。リサイクルに関する他社との協働

ヤマトグループは、自然環境の保護や再利用を目的とし、再生材を用いた制服を2000年から導入しています。また、制服の使用終了後における環境への影響を最小限に抑えるため、当グループは衣類のリサイクルを専門とする株式会社エー・ケー・テックなどにリサイクルを委託しており、制服をフェルトにし、主に自動車の吸音材として再利用されています。

2024年度は、使用終了後に回収した制服を基本的に100%リサイクル行程にのせ、約160tのリサイクルを実施しました。これにより、廃棄物の削減や生産に必要なプラスチック資源の減少にも貢献しています。

植物由来PET素材の制服
植物由来PET素材の制服

事例3:機密文書リサイクルサービスの提供

ヤマト運輸(株)は、専用ボックスに入れるだけで機密文書を簡単かつ安全に処分可能な「機密文書リサイクルサービス」を提供しています。未開封の箱ごと溶解するので、情報漏えいの心配もありません。溶解後はトイレットペーパーや段ボールとして100%再利用されています。

機密文書リサイクル専用ボックス
機密文書リサイクル専用ボックス

事例4:使い終わった学生服のリユース支援

ヤマトグループは、一部の学校で実施されている学生服のリユース活動を包括的に支援しています。各家庭から回収した不要な学生服を、スワン工舎(ヤマト自立センター)*1において検品からクリーニング、採寸、包装、商品ラベル貼り付けまで実施し、ヤマト運輸(株)が、学校で開催されるリユース会までの保管と納品を行います。
学生服提供者の手間を省くことで、回収数を増やしてリユースを促進し、回収後の工程をお任せいただくことで、主催者の負担も軽減しながら、資源循環に貢献しています。

スワン工舎におけるクリーニング
スワン工舎におけるクリーニング
ヤマト運輸(株)にて保管・納品
ヤマト運輸(株)にて保管・納品
学生服リユース会
学生服リユース会


*1 社会福祉法人ヤマト自立センターが運営するスワン工舎(ヤマト自立センターは、障がいのある方が自立して働けるようにトレーニングをする事業所です。学生服をトレーニングの教材として活用し、就労を支援しています。

事例5:地域と連携した取り組み(新宮城主管支店)

ヤマト運輸(株)新宮城主管支店では、積極的な環境負荷軽減の取り組みを展開した結果「令和4年度 宮城県ストップ温暖化賞(現みやぎゼロカーボンアワード)」*1を受賞しました。
同主管支店では、定期的に取り組み方針の確認や情報の共有を行い、取り組み内容をニュースレターとして発行することで社員への普及啓発を進めています。紙や廃プラスチックの分類・回収によるリサイクル率の向上、営業所へのラベルレス飲料導入など、主管支店独自の創意工夫をこらした取り組みをしています。輸送に関わる部分では、2023年7月より宮城県の環境配慮行動促進アプリ「ecoチャレンジみやぎ」*2のエコアクションとして、紙資源のリサイクル率が高い送り状利用を促す「ネコピット*3を利用した送り状発行」や、再配達抑制によるGHG排出削減が期待される「PUDOステーション*4を利用した荷物の受け取り・発送」が追加されました。

*1 宮城県主催の地球温暖化対策に資する取り組みで顕著な功績があった団体を表彰する制度
*2 宮城県が提供する環境行動(エコアクション)に参加するとポイントが付与されるアプリ
*3 営業所に設置された端末
*4 オープン型宅配便ロッカー

新宮城主管支店で推進するアクション
新宮城主管支店で推進するアクション
令和4年度宮城県ストップ温暖化賞表彰式
令和4年度宮城県ストップ温暖化賞表彰式
ecoチャレンジみやぎの案内とネコピット
ecoチャレンジみやぎの案内とネコピット